境内に入り、小さな朱欄干の橋を渡ると空間が開け、
素木に瓦屋根のゆったりした姿の本堂・大子堂が穏やかに構えています。

なんだか霊場らしい空気が感じられる気がするのは、
山裾に奥まった静かな雰囲気のおかげと。

最初の一歩を踏み出した実感を感じます・・・。
四国遍路は、お大師さんゆかりの地を巡礼する旅だと言うのに、
基本的な知識も知らぬままの、駆け出し遍路です。

作法に従って初めての読経もこなしてみるが、
普段は信心も無いのにこんな事をしている自分がちょっと・・・

初めての読経、はずかしく妙に疲れてしまう。
何だか落ち着かない。 
自分で自分のしている事に勝手に照れてしまっています。

広がる境内を進み急な石段を一上りすると、少し空気が静かになりました。
足元に小さな名札…三つ…
古池に…金魚がひとつ…さくら舞う…
霊場三十一番札所…同行二人…何を願う…
第三十一番札所「竹林寺」の大屋根を染めるイロハモミジです。